12月の定例会

日時:12月17日(土)15:00より
出席者: 4名

■日時:12月17日(土)15時より
■ 出席者:4名


●東京会員のS氏が久しぶりに参加してくれたため、ここ数カ月間の行政の検討状況(金沢市の新交通システム、同市の第3次交通戦略、石川中央都市圏の広域交通計画)について説明しました。

【改めて挙がった主な意見や感想】
・第2次金沢交通戦略と第3次金沢交通戦略(素案)の全体構想のイラストを見比べると、第2次のほうには背景にきちんと街や人が描かれているが、第3次は交通だけ。第2次は集約都市形成計画と一体という認識が強く出ていたが、第3次ではまちづくりや都市計画との関係に対する問題意識が後退し、その象徴がこの2つの図の違いとなって現れているのではないか。

・片町の再開発、香林坊の日銀跡地活用が議論されているが、それ(ハコ物)単体での議論になっている。集客を考えるなら、他都市のように普通に交通と絡めて議論してほしいものだ。

・石川線のあり方について、鉄道とバス(BRT)しか調べられていない。例えば富山港線(富山ライトレール)では、鉄道、LRT、バス(BRT)、廃止の4択を調べている。なぜLRTを調べないのか、その積極的理由が分からない。

・石川線を鉄道として維持する場合、石川中央都市圏の地域公共交通計画に「鉄道事業再構築事業」として位置づけないと国の支援を受けられない。石川線は現行法でも十分な支援を受けられるので、きちんと計画に記載すべきだ。

・新交通システムについてこれまでは、その導入目的として、集約都市形成、中心市街地活性化、渋滞緩和、バスの利便性向上、乗り換え抵抗の低減が言われていた。しかし、第3次計画では、集約都市形成、中心市街地活性化、渋滞緩和、バスの利便性向上、乗り換え抵抗の低減が導入の条件になってしまった。考え方が逆転してしまった。

・何年後、何十年後か分からないが、都市がコンパクト化して、環状道路が完成して都心軸が渋滞しなくなってからでは、新交通システム導入の意味がない。人口減少、郊外拡散で既に街が廃れている。

・第3次戦略では、乗り換え無しでまちなかにスムーズにアクセスできることを大きなメリットとして謳っている。第2次戦略が謳った乗り換え前提の階層的ネットワーク(幹線-支線システム)への移行の契機が都心軸上では明確に仕組まれていない。それこそが新交通への“システム変更”の眼目であった。第3次戦略が策定されることでLRTやBRTの導入への見通しが付かなくなった。

・新交通システム導入の第1段階は、富山や宇キ宮ではLRTの優先整備区間への導入であった。金沢市の新交通第1段階の諸施策は宇キ宮ではLRT計画に全て含まれている。

・地域運営交通の拡充に重点を置いた第3次戦略は、おそらく誰からも大きな批判は受けない。地域運営交通が大事なのはいうまでもない。しかし、議論すれば批判の声が上がって当然の新交通も同じく大事で、地域運営交通も新交通と一体で整備してこそよりよく機能する。

●今後の日程
次回は1月21日(土)です。

毛利