◆ Q&A

Q1.金沢の狭い道路に、路面電車は無理やろ?

 A.走行空間は確保できます!

 国道157号線が拡張工事が終わり、道路は以前より広くなりました。
 さらに山側・海側環状線の整備に伴い、市内の渋滞は緩和されています。

 また本会は、歩道側の車線の、片側走行を提案しています。
 そうすれば、現況と同じく5車線あれば良いので、走行空間を確保できます。
 その場合、電停も歩道上となるので、横断の必要がなく、身近で安全ですし、
 迷惑駐車もなくすことができます。


 片側敷設の場合のイメージ(下堤町)
 






Q2.電車なんか走ったら、街中がもっと渋滞するやろ?!

 A.道が狭いから、混雑しているからこそ、LRTなんです。

 金沢市内がなぜ渋滞するのか?
 それは、ただでさえ狭い道路に、『おひとりさま』なマイカーが、たくさん街中に集まるからです。
 用事もないのに、ただ街中を通り抜けるだけの車も、多数集まるからです。
 つまり効率が悪すぎるのです。



 ↑ストラスブール市資料より。
 約200人が、車、バス、LRTにそれぞれ分乗した場合、道路空間はどうなるのか?
 非常にわかりやすい写真です。

 海外では、むしろ道路の狭い街にこそ、LRTが導入されています。
 交通とは、車ではなく、人が行き来すること。
 道路の狭い金沢だからこそ、効率的な交通システムが必要なのです。




 
Q3.そんな線路を引く予算が、どこにあるんや??

 A.なんとかなります!
 
 確かにお金はかかります。
 けれど国土交通省の「LRT総合整備事業」などによる補助制度を活用すれば、整備費の半額程度は
 国費で賄えます。
 国から補助金をもらって、残額を地方公共団体で負担する形です。
 富山市も宇都宮市も、この補助制度を利用しています。
 →宇都宮市HPより

 金沢の場合、さらにその半分を、野々市市・白山市、内灘町と分担することも考えられます。


 予想される整備費用は、ざっと500億。
 そのうち半分は国から補助金をもらい、残り半分を自治体で負担する形になります。
 ちなみに、21世紀美術館が113億円、辰巳ダムが240億円、中央病院で350億(見込み)・・・
 LRTの公益性を考慮すると、決して高い金額ではないのです。




Q4.そんな線路つくっても、採算とれるんけ?

 A.いいんです。それが公共交通です。

 車からの転換がうまく進めば、金沢市は充分採算が取れると見込まれます。

 そもそも公共交通は、採算性を求めるものではありません。
 黒字や赤字を問わない、道路や図書館・美術館と同じ公共の財産です。

 欧米諸国では、LRTの運賃収入は運航経費の半分程度であり、残りは公的資金で
 支えられています。
 公共の福祉なので、「建設費用を含めて運賃収入で賄う」という発想はありません。


 日本でも2007年度より、上記の上下分離方式が可能になりました。
 つまり、

 自治体: 軌道や車輌の整備・保有を行う
 民 間: その施設を借りて運航サービスのみを担う

 という、公設民営方式の導入が可能になったのです。

 それと共に、自治体への補助制度が拡充しました。
 その最初の導入事例が、富山市の市内環状線です。
 日本国内の大きな成功例として、注目を集めています。




Q5.いきなし電車じゃなくて、バス(BRT)にしとけばどうけ?

 A.やるならLRTでしょう!

 今あるバスを活用できるし、最初はBRTで・・・って思いますよね。
 ところが、それでは意味がないんです。
 すでに土日のバス専用レーン実施など、バスによる実験は実証済みです。
 BRTでは、単なるバスレーンの整備に過ぎません。
 LRTを想定してバス網を再編成したところで、それは バス→バスへと乗り継ぎしなきゃいけない
 不便なバスでしかない。
 今より不便になったバスを、使いたいと思いますか?

 乗り継ぎがあるのはLRTも同様です。
 そして電車も、今ある「北鉄野町線」を活用できるのです。
 今あるものを、もっと便利に、活かすことができるのです。
 この路線から、金沢市の中心街を通って、金沢駅へ接続する。
 その効果とインパクトは、バスのそれとは比較にならないほど大きいのです。




Q6.一度廃止した路面電車を、何でわざわざ復活させるんや?

 A.半世紀後の今だからこそ、です。

 半世紀経って、時代は変わりました。
 2015年3月、北陸新幹線が開業し、以来多くの観光客が金沢を訪れています。
 そして早くも、二次交通の不便さが問題になっています。

 そして、過度なマイカー依存を見直す時期が来ました。
 車の増加と共に地球温暖化が進み、日本の気候も、明らかにおかしくなっています。
 マイカーで人が郊外に流れてしまい、中心商店街の空洞化も問題になっています。
 社会の高齢化も進み、お年寄りのドライバーによる痛ましい交通事故も増えています。
 誰もが安心して暮らすことができる、そんな街が今、求められています。 
 
 現在、郊外へ拡散した住宅・店舗をコンパクトに集約し、街中へ人を呼び戻すよう、
 国の政策が進められています。
 (コンパクトシティの推奨、街中定住政策など)
 その政策に合致するのが、LRTなのです。

 金沢市においても、新しい交通システム導入に向けて、準備が始まっています。
 金沢都市圏では、生活・観光の両面で、充分な需要が見込まれます。
 道路の整備も終わり、国の制度も整った今だからこそ、LRT導入のチャンスなのです。